皆様こんにちこんばんは!
突然ですが、インシデント(アクシデント)レポートを書いたことはありますか?
忘れられないインシデントの数々・・・。泣
皆様もインシデントの個人の振り返りをしたとがある経験があるのではないでしょうか?
でもインシデントって個人の問題なの??
人間である以上ヒューマンエラーは起きるものです。大事なのは組織としてどのようにミスを予防・カバーしていくかが重要です!
今回は業務上のミスの取り扱いについてGoogleが考えるチームなどの話をもとに考えていきましょう!
もし良かったら他にも記事を書いているので見ていってください♪
個人が責められる臨床場面
臨床ではこんな場面を見たことはありませんか?
師長さん(管理者)、インシデントレポート書きました。すみません・・。
はぁ。今月インシデント増えてるんだよね。自分の行動をもう一度確認してください。
すみません。。。泣
ーーーーーーーカンファレンス開始ーーーーーーー
リーダー「ではインシデントの分析しまーす。」
リーダー「これって個人の問題じゃない?」
スタッフ1「普通はそういうことしないよね。」
スタッフ2「それってみんなで話し合うことじゃなくて、個人の振り返りが大事だと思う。」
リーダー「じゃあ、〇〇さん(当事者)に振り返ってもらおう。」
ーーーーーーーカンファレンス終了ーーーーーーー
インシデントレポートの作成は感謝されるべき
このような場面は看護師であれば少なからず一度は経験(見たこと)があると思います。
Nパパは5年目くらいの頃から、このインシデント(業務上のミス)の分析に違和感を感じていました。
結論から述べると、このミスの分析は間違っていると思います。
大事なことはミスを職場全体で共有することだと思います。
むしろインシデントレポートを作成したことに対して感謝されるべきだと思います。
なぜこうした姿勢が重要か?
というと、ミスを隠蔽することに繋がるからです。
インシデントが起こると、弱い立場のスタッフが叱られたり極端な話袋叩きにあうなんてことは実際にあることだと思います。
このような環境では、小さなミスを起こしてしまった時に怒られたくないから隠しておくという思考を生みかねません。
これは隠そうと考えたスタッフだけの問題ではなく、そうさせてしまった職場環境が問題だと思います。
▼リーダーシップに悩んでいた時期に読んだ書籍(引っ張っていく!のが苦手な人に)
大事なことはミスを組織全体で共有することである
ヒューマンエラーは人間である以上必ず起きる。
これを前提とすると、インシデントはシステマティックに予防できるような仕組みが最も重要だと思います。
医療が人間の健康問題を相手にしていることから、インシデント(仕事上のミス)が患者の健康問題や生命に影響することは避けられません。
だからこそ、職場全体でミスを共有して個人レベルではなく組織全体で早急に対策を考えることが大事なのだと思います。
「気をつけよう」「確認しよう」「落ち着いて行動しよう」
ではなく、なぜ確認できなかったのか?
それは
- 人間関係の問題なのか? = コミュニケーションしづらい関係性?
- 業務の重複や人員不足? = 削減や委託できる業務はないのか?共有できる業務は?
- そもそもマニュアルがないのか? = 記載がない、見直しがされていない?
などと個人を責められないような分析が大事なのではないでしょうか。
私が書籍や他の方のブログを読んで医療安全や組織改革に関して大事だと思う考え方を紹介したいと思います。
高信頼性組織 High Reliability Organization;HRO
高信頼性組織とは、簡単に言うと戦地などの不足の事態が起きやすい極限の環境においても淡々とミスなく業務を遂行できるような組織を意味します。
この考え方は医療業界(特にクリティカルケア 領域)にも必要と言われています。
高信頼性組織には5つの要件があります
- 失敗から学ぶ:ミスを評価する,ミスや欠陥を発見した人は感謝される
- 単純化への影響:業務に対して疑問を持ち続ける
- オペレーションの重視:現場スタッフが管理者に直接進言できる(現場重視)
- 復旧能力を高める:業務上必要な知識技術に対して投資(教育)ができている
- 専門知識の尊重:地位ではなく専門家の意見によって意思決定ができる
簡単に解釈を示しました。
このような職場環境は、上司を含む職場スタッフの信頼関係がなければ成り立ちません。
そして、常に流動的なのが特徴的だとも言えます。
これを見ると看護業界の教育や改善がいかに個人に依存しているかが分かります。
やはり問題は全てのスタッフで共有して解決策を検討して意思決定、教育、評価というプロセスを回していくことが大事ですね。
そして管理者は最終的な意思決定する=責任をとるのが仕事ですから、そこはスタッフに移譲(責任転嫁)せずに意思決定を示して欲しいと常々感じます。
Googleから学ぶ組織・管理の姿勢
Googleは社内で様々な調査・分析を繰り返しています。
その中で、「効果的なチーム」の条件について分析しています。
その結果チームの効果性に影響を与える因子として下記であるとしています。
▼主任になったときに購入して参考にした書籍です!
心理的安全性
これはチーム内のメンバーの行動に対する認知・反応の仕方です。
例えば、新たなアイデアや問題提起をした時、分からないことを質問しても誰もメンバーのことを馬鹿にしたり罰しない。
そうした事をお互いに信じられることを意味します。
相互信頼
相互の信頼が高いチームは質の高い仕事を時間内に仕上げることと説明しています。
一方で信頼が低いチームでは責任転嫁するとも説明しています。
このフレーズを見てとても反省しました・・
構造と明確さ
これは
「職務上で要求されること」「その要求を満たすためのプロセス(過程)」
「メンバーの行動がもたらす成果」
これらについて個々のメンバーが理解していることが重要と説明しています。
そして目標は達成可能な内容である必要があります。
看護では部署の目標が数値化されなかったり、数値化されていても目標設定の数値に理論的な根拠がないことが散見されます。
仕事の意味
これは最も大事だと思いました。
やはり仕事そのものや成果に対して目的意識を感じられる必要があります。
そこの意味づけが管理者としてリーダーとして重要なんですね。。
係の仕事などにやらされ感があるのは、この意味付けがされていないからだと思います。
インパクト
自分の仕事には意義があるとメンバーが主観的に思えるがチームにとっては重要なことだと説明しています。
大事なことは個人の仕事を可視化して目標達成に貢献していることを示すことですね♪
まとめ
Googleの調査結果や高信頼組織性組織の考え方からも、重要なことはフラットな関係性と相互の信頼関係が重要なのだと思います。
チーム(組織)のパフォーマンスが向上することは、医療現場にとって患者さんへの損失を減らすことにつながります。
少なからず患者さんのアウトカムに好影響を与えることに繋がると思います。
加えてスタッフにとっても働きやすい職場となりスタッフのQOL向上、そして患者のケアの質にも大きく影響します。
インシデントの取り扱いを見るとその組織の健康度がわかるかもしれませんね^^;
現場にいてたまに思うことがあるんですが
主語が患者さんではなく自分達になっていることです。
忙しさなどから自分達が主語になっていることが多々あります。
初心に戻るという意味でも、自分達は誰のために学習し行動し評価しているのかということを考える機会を設けることが大事だと思っています。
ということで、インシデントから組織についてお話をしました。
▼リーダーシップに悩んでいた時期に読んだ書籍(引っ張っていく!のが苦手な人に)
普段は人工呼吸器などの解説記事を書いているので、そちらもご覧ください!