皆様こんにちこんばんは!現役ICU・認定看護師のNパパです!
この記事ではECMO管理中の圧モニタリングについて解説します!
ECMOで圧モニタリングがされていても実は教えられる先輩がいないのが実情なのね・・。
実際は医師や臨床工学技士が中心となってみていることがほとんどだけど、看護師もしっかり理解すると異常の早期発見や早期報告につながるので一緒に学習していきましょう^^
ECMOは他の記事も書いてあるのね♪
『この記事で分かること』
- ECMO中の圧モニタリングの場所
- 圧モニタリングの目的
- 圧の変化から考えられること
- 圧が変化した場合の医師への報告のタイミング
先日下記のサイトで当ブログのアイコンについて紹介していただきました!
アイコン作成の方法や背景が書かれているので、ぜひ参考にしてください^^
このサイトは論文をもとに看護師の役立つ情報を発信しているサイトです!
臨床だけでの知識ではなく、アンガーマネジメントなど幅広い内容の情報を発信されていているので是非みてください^^
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ECMO中に圧モニタリングをするのはナゼ??
ECMOの圧って他の医療機器と違ってアラームが鳴ることがあんまりないから、あまり興味ないのよね^^;
そうだねぇ^^; ただECMOはの場合トラブル=緊急停止につながるので最悪の場合生命維持ができなくなるからとても怖いんだ。。
・・・。では教えてください・・・。泣
ECMOの圧モニタリングの大きな目的は以下の3つです!
- 人工肺の目詰まりを予測する
- カニューレ の先あたりを予測する
- 回路内の異常の早期発見を行う
呼吸をサポートするV-V ECMOは長期運用することが多いので、圧モニタリングは安全に運用する上で非常に重要な点なんだね♪
ELSO(ECMOの世界的な団体)ガイドラインにおいてもECMO中の圧モニタリングを推奨されています。
特にV-V ECMOを使用している多くの施設で圧モニタリングが実施されていると思います。
圧モニタリングを行う場所はどこ?
一般的な圧モニタリングの場所は以下の通りになっています!
私の施設ではP4はモニタリングしていなかったりと、実際は施設によってモニタリングしている箇所が少なかったりします。
でも数値をみているものの、どのように解釈すれば良いかが分からないのよ・・
圧の意味するもの
モニタリングしている圧力が何を意味しているか説明します^^
意外に単純に考えても良いのかも・・!
P1は臨床的に脱血圧と呼ばれることも多く、脱血の状況をみています。
例えば循環血液量が低下した場合、は圧力がマイナスに傾き回路内の陰圧が増していることが伺えます。(回路内の陰圧が問題になる理由はコチラの記事)
P2,P3は人工肺前後の圧をみています。重要なのは人工肺の異常を早期に察知するためのΔP(デルタP)と呼ばれる圧力差を見ることが大事です。差が拡大しているということは血栓や凝集によって人工肺の抵抗が増していることが考えられます。
圧力の変化と予測されること
よく清拭中にアラームが鳴ることもあるから本当に怖い><
ΔPのように人工肺のつまりからじわじわと圧が上昇してくるものもあれば、清拭中にカニューレのキンク(折れ曲り)によって突然上昇するなど圧の上がり方も様々です!
前の記事にも書いてあるけどP1は陰圧が少ないようにした方が体にとって優しい管理なのよね♪
そうそう!だからこそECMO管理中はベッドの高さを最大まで上げて、落差をつけることによってできる限り回路内圧が陰圧にならないような工夫をしているんだね♪
トラブルと各測定箇所における回路内圧の変化
圧の全体の変化について表に示します!通常のモニタリングとしてはP1の過剰陰圧とΔPやP2の上昇がないかを評価することが大事です。人工肺のつまりはガス交換能が低下=生体への影響が多大だからです。。
この間の人は、酸素化が悪くなって回路交換したら人工肺に血栓がいっぱいついてたってCEさんが言ってた!!
そうそう。ΔPの上昇は人工肺の詰まりを意味するので、ナースもモニタリングするのが重要なんだ♪
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各測定場所における圧の目安
実際は圧がどのくらいになったら異常なのかがよく分からないのよねぇ。。
施設によっても違うところもあるかもしれないけど、一般的な目安を知っておこう^^
【引くは100まで押すは400まで】
血球などの細胞は陰圧には弱い性質があります。つまり過剰な陰圧が加わると血球が破れる=溶血が生じます。溶血は血球内にあるKが血中に漏出するだけではなく、DAMPSによって炎症も惹起されるので、要注意です。詳しくはコチラの記事を参照してください。
まとめ
今回はECMOの回路内圧について解説しました!まずは圧に興味を持ってモニタリングすることから始めましょう^^
ここまで読んだ方は勉強好きね♪