フィジカルアセスメント

【フィジカル】はじめから学ぶ看護師が学ぶべき腹部のフィジカルアセスメント〜視診・聴診・触診〜

ピコ様

ねぇねぇ。お腹のフィジカルって正直マイナーであんまりよく分からないんだけどぉ。。

Nパパ

確かし研修やセミナーで腹部のフィジカル特集ってあんまりないよねぇ。でも腹膜炎を考えるうえでは結構大事なのよねぇ。

ということで今日も一緒に勉強していこう!

お腹の聴診は1箇所で聴くべし!!

Nパパ

普段腹部の聴診は何箇所でしていますか?

例えば胸部の聴診では左右の対称性を評価しながら聴診していきます。

腹部の場合は結論として1箇所で問題ありません。

ピコ様

3箇所聴いていたあの時間を返して・・

その理由を説明していきます。

腸管は一続きになっていて1つの部屋(腹腔)に治っているからです。

Nパパ

これが肺の場合はどうかな?

肺は同じ胸腔内にありますが、気管支が無数に走行しているため

閉塞の場所によって限局して障害される可能性があります。

つまり左右差が生じます。

一方で腸の蠕動音は腹腔内に反響しますから

腸閉塞を生じた場合に聴診でここが閉塞起点だ!

と予想するのは恐らく困難でしょう。

なので1箇所で問題ないという結論になります。

ピコ様

そうだったのね・・・。

聴診で重要なのは

  • 腸管の蠕動が低下 or 消失していないか(麻痺性イレウスの鑑別)
  • 金属音は聴取しないか(腸閉塞)

蠕動の低下と消失の定義(亢進も)を示します。

これは覚えるしかありませんが

腸音の定義
  • 低下:30秒以上聴診しても蠕動音が聞こえない
  • 消失:2分以上聴診しても蠕動音が聞こえない
  • 亢進:5〜15秒で蠕動音を聴取する

これを見て消失は2分以上かけないと判断できないんだ!

と思った方もいるでしょう。

Nパパ

Nパパもそう思いました・・w

臨床的解釈
  • 腸蠕動音が消失している場合には麻痺性イレウスを疑う
  • 金属音(metalic sounds)が聴かれれば腸閉塞を疑う
  • 蠕動が亢進し腹痛(特に間欠的な腹痛)と腹部膨満をきたしていれば腸閉塞を疑う
ピコ様

え??腸閉塞って腸の動きは弱くなるんじゃないの?!

腸閉塞は腸管の通過障害がある状態なので

腸管は正常な状態に戻そうとかえって腸蠕動が亢進します。

ちなみに金属音(甲高い音)は腸管が狭窄している状態で

狭窄部位を腸液や内容物が通過する際に発生する音だと言われています。

腸閉塞とイレウス

腸閉塞とイレウスはこれまで言葉の定義が曖昧な状況でした。急性腹症診療ガイドラインでも示されていますが、イレウスとは腹膜炎や術後の腸管麻痺の状態を意味します。

一方で腸管の機械的・機能的な通過障害と腸閉塞と定義されます。

腹部はパート(区分)を分けて考えよう。

触診に行く前に腹部の区分を明確にしましょう。

例えば腹部に圧痛を認めている場合に

どこの部位に圧痛があるのかを明確にする必要があるからです。

まずは4区分法です。

臍を中心に

①右上腹部 ②左上腹部 ③右下腹部 ④左下腹部に分けます。

消化器系でなければ単純なのでこれでOKだと思います。

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もう少し詳しい分け方としては

9区分法があります。

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これを覚えるのは少し時間がかかると思いますが

より詳細に分けることで臓器特異的な情報を得ることができます。

例えば右季肋部を触診して圧痛を認めれば急性胆嚢炎の可能性が考えられます。

Nパパ

これはマーフィー兆候といって急性胆嚢炎を鑑別するうえで重要な手技になるよ。感度65%,特異度87%なので確定診断には有用と言えるね♪

心窩部であれば心臓や胃

という具合に詳細にすれば情報の精度は上がります。

ピコ様

余裕がある人は9区分法にチャレンジね!

触診をする上で重要なのは事前の問診だ!

今更ですが腹部のフィジカルイグザミネーションを実施する順番としては

視診→聴診→打診→触診

になります。

この順番には理由があります。

問診が重要というお題にもつながりますが

腹部に痛みを生じている場合

先に触診や打診などの所見をとると

それが刺激(侵襲)になって

蠕動の亢進などの所見に影響を与えることにつながります。

ピコ様

だから事前の問診が重要なんだわさ!

事前に痛みの有無や場所を把握することで

その部位の診察を最後にすることができます。

なので患者さんの身体所見を取る前に

「どこがどのように痛みますか?」

「どこか痛いところはありますか?」

などの質問(問診)をすることが重要です。

その痛みって腹膜炎??

 腹膜炎を示唆する所見を腹膜刺激症状と言います。

触診は最初は浅く撫でるように腹部を触診していきます。

この際に患者さんが痛みを自覚して

圧痛がある部位を触診した時に意識的に腹筋に力を入れることがあります。

これを筋性防御呼びます。

次に深い触診では

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このように 指を立てるようにグーっと自分の指を腹部に沈ませていきます。

その際に押した時よりも離した時に痛みを生じることがあります。

これを反跳痛(Blumberg兆候)と言います。

筋性防御と反跳痛はどちらも腹膜炎を示唆する腹膜刺激症状です。

これ2つは覚えておくと良いと思います。

まとめ

  • 腹部の聴診は1箇所で行う
  • 腹部の区分は4区分または9区分に分ける
  • 所見を取る前に痛みの有無を確認する
  • 腹膜刺激症状は筋性防御と反跳痛を覚えておく

Nパパ

最後まで読んでいただきありがとうございました!

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